マスミ鞄嚢
- マスミホウノウ-
職人が100年継承し培った技術で、鞄と信頼をお客様に提供するブランド。
国内トップクラスの生産量を誇る鞄の一大産地である兵庫県豊岡市。
その豊岡の地で、マスミ鞄嚢（ほうのう）株式会社は1916（大正5）年に創業された。
現代における「鞄」の歴史の始まりから今日まで、あらゆる製品を手掛けると同時に、鞄を作る「人」も育て上げ、
豊岡＝国産鞄の価値を大きく高めた製造企業である。
「マスミ鞄嚢」そのブランドには、携わった鞄職人の情熱と魂が刻まれている。
豊岡の鞄、その黎明期から深い関わり。
明治時代、コリヤナギで編まれた柳行李に3本の革バンドを付属した「行李鞄」が開発された。この行李鞄に漆塗りや錠前取り付け等の改良を施された「新型鞄」が誕生したのは1917（大正6）年。この新型鞄が豊岡で最初に売り出された「鞄」と言われている。この創作に関わったとされる人物が、創業者の植村賢輔である。植村は鞄産業の未来を確信し、皮革製品に着目。豊岡で初の「箱型鞄」製造を始めた。これがマスミ鞄嚢の始まりである。
成長期の日本とともに、鞄産業を発展。
まだ海外旅行が一般でなかった1950～60年代にかけて、マスミ鞄嚢は海外渡航用鞄を量産する。多くのツアーコンダクターや海外出張者がその鞄を利用した。中でも60年代に販売開始したオリジナルデザイン「マスミライン」は、海外に輸出されるほど好評を得た。また、高度成長期の幕開けとなる1964（昭和39）年の東京オリンピックでは、聖火を運ぶケースを製作。急速に成長を遂げる日本において、豊岡の「マスミ鞄嚢」は鞄産業の発展に大きく貢献した。
職人の精神宿る名品、木製「船ダンス」。
1984（昭和59）年、皇太子様（当時）の御外遊に、マスミ鞄嚢が「船ダンス」を製造。船旅が主流だった昔、衣服を美しく運び、船の中では箪笥として使われたものが「船ダンス」である。木工部を持ち、家具を造る職人・技術と、鞄を作る職人・技術、その両方を合わせもつマスミ鞄嚢企業だからこそ作ることができた名品である。
マスミ鞄嚢は、鞄製造会社としては類をみない『木工部』を創業当時から設けている。外注が主流の中、鞄職人として原型から鞄を作る技術を継承していくためである。自社で木枠を作ることで、個性的な鞄の仕様にも対応できる。
また、鞄のサイズや収納物の重さによって多種多様な厚さ・大きさの木材を使用し、高い耐久性を保持することができる。
マスミ鞄嚢の製品は、一部の製品で職人が鞄を手縫いで仕上げている。手縫いは時間と技術が必要である。一定の力とリズムで縫わなければステッチが乱れてしまうため、綺麗に早く縫うためには経験を蓄積した熟練の技術が求められる。
マスミ鞄嚢は、国内に数台のみと言われる様々な特殊ミシンを所有し、かつ、そのミシンを使いこなす「職人の腕」とを掛け合わせることで、国内で唯一、箱物鞄製品の生産が実現できる。ベニヤ板も貫通して縫える馬力のあるミシンは、部品も無いため調整に配慮しながら扱う難しさがある。太い糸が縫える特殊ミシンは、通常ミシンの経験を5年以上有し、実務能力基準をクリアした職人だけしか使用を許されない。
マスミ鞄嚢のダレスボストン。
豊岡鞄認定製品「ダレスボストン」は、上級のイタリア製ベジタブルタンニングレザー「ブッテーロ」を本体に使用。バッグ下部まで大きく開く口金式ダレスボストンは、重厚で上品な存在感を放つ圧巻の佇まい。一方で、細部まで繊細かつ精巧な作りは、まさにクラフトマンシップ宿る美しい鞄である。「一生モノ」として、長く愛用して欲しい逸品である。
3代目である現代表・植村賢仁氏は、時代の先を見通し、求められる「鞄」の在り方を常に考えている方だと思います。長年にわたり兵庫県鞄工業組合の役員を歴任し、「豊岡鞄」を世界に名を馳せるブランドまで向上させた人物の一人でもあります。一方で、自社の製造においては、デジタルを駆使し効率を重視した大量生産ではなく、人の手で時間をかけて裁断、縫製し、仕上げていく、ある意味で時代に逆行するモノづくりを根幹としています。妥協すること無く選んだ良い素材を用いて、1点1点職人が丁寧に作るマスミ鞄嚢の製品は、まさに一生モノです。
アルチザンオリジナルブランド
