手間暇と細かな技術が必要な「風琴マチ」。
「風琴マチ」は日本の伝統的な製法であるが、国産製品においても極めて希少になりつつある。一般的なマチと違い、外に折れているため、お札や名刺がマチに引っかかる事もなく、まとまりのあるきれいな収納と出し入れしやすい機能性に優れている。また、マチが同じ高さではなく段を作るような構造のため、閉じた時に厚みが出ず薄くシャープな印象になることも特性である。
この風琴マチは構造が複雑な為、立体に起こした型紙の作成が非常に困難である。同時に使用する革の厚みや特徴も踏まえた精密な加工技術が求められる。
マチは一切ミシンをかけず、糊での「貼り作業」のみで行うため、糊を均等に引く技術、正確さやスピードが必要である。このような工程から手間暇を掛ける職人は減少し、技術を継承される事も少なくなりつつある。