La vetta
- ラ・ヴェッタ -
目指すは“最高峰(La Vetta)”
素材にも技術にも妥協なしの逸品財布
2017年に誕生したLa Vetta(イタリア語で“てっぺん、頂点”)。
吟味を重ねた素材を使い、優れた財布職人から習得した技術で、
手間暇をかけて仕上げる財布には、若き職人の熱い思いが宿る。
個性重視の素材選び
最初に手掛けた「rugato」シリーズでは、ベルギーのタンナー(皮革加工職人)が牛の肩部分の革を使って作る「ルガトショルダー」を採用。別名革の宝石とも呼ばれる。独特のトラ目(シワ)が出るので通常は好かれないが、そのトラ目を〝革の表情〟として個性に転化し、結果一点ものを作り上げる。デザインと機能を最大限に活かし、なおかつ個性的でありたいという素材選びの妙。
高い技術とチャレンジ精神
La Vettaの財布を手がけるのは若き二代目。父が鞄なら自分は財布を極めようと、財布職人から技術を学び、〝風琴マチ〟、〝菊寄せ〟、〝ネン引き〟など手間暇のかかる技法にも果敢に取り組んでいる。とりわけ〝風琴マチ〟は、技術的にできる人が少ないばかりか、できても時間がかかりすぎるためやりたがらない職人が多いという。
四隅のヘリとよばれる革の端を“寄せ”という技術でまとめている。その際、直角に合わさった革の余分な部分に細かく均一にヒダを重ねていく事を“菊寄せ”と言う。本製品はこの菊寄せ部分も細かく丁寧に刻み、美しく仕上げられている。
また、“ネン引き”は紳士物の高級ラインで用いられるもので、ひと手間で見た目のクオリティをぐっと引き立てる。さらに、製品の淵の強度も増す効果も。ステッチの真横を走るラインはシャープな印象を与え、美しさを引き立てる。
(Rugato 名刺入れ:LV001)
“風琴マチ”は構造が複雑な為、立体に起こした型紙の作成が非常に困難である。同時に使用する革の厚みや特徴も踏まえた精密な加工技術が求められる。一般的なマチと違い、外に折れているため、お札や名刺がマチに引っかかる事もなく、出し入れがしやすい。
(Rugato 長札(小銭入れ有):No.LV003)
使いやすさへの配慮
「使いやすさを知ってほしい」と語る二代目。「ラウンドのお財布を開けたら、小銭入れにまたファスナーが付いているというのはイヤなんです」。設計の段階で、中ファスナーがなくとも普通に使う分には小銭が落ちないよう、仕切りの高さやファスナーの位置を調整する。ファスナーの開け閉めがスムーズにできるよう張り込み方に工夫をするなど、見えない部分への気遣いも徹底。
二代目にとって究極の財布とはどんな財布ですか?と尋ねたら、「その人が使いたいと思うものが究極の財布でしょう」という答が返ってきました。「だからLa Vettaでは、僕が使いやすいと思っているものを出しています」と語ります。個性的な革素材、デザインや構造、すべてを気に入っていただいた方に愛着を持って使って欲しいのだ、と。そして、頭の中には作りたいお財布がありすぎて、何から形にしていけばいいか悩んでいるそうです。自らを“財布バカ”と名乗る若き職人の挑戦が楽しみでなりません。