Artisanが企画、新しい鞄を創造するプロジェクト。
鞄産地・兵庫県豊岡市の鞄に特化した拠点施設「Toyooka KABAN Artisan Avenue」(当店の運営施設)主催で、デザインコンペ「Toyooka KABAN Artisan × project」が2019年から2020年にかけて実施された。
テーマは「既存のジャンルや概念にとらわれない“新しい鞄”、産地・豊岡を象徴する“豊岡らしい鞄”」。優秀作品は豊岡の職人の手で鞄に仕上げ商品化。バッグのデザイナーや鞄業界に携わらない方が応募の条件。応募いただいた95名の方の提案から、2度にわたる厳正な審査を経て優秀賞作品1案が選考された。
▲ 小竹ひとみさんによるデザイン案
優秀賞受賞は東京都在住の女性、子育てとグラフィックデザイナーを両立されていた、小竹ひとみさんの提案「SASUTICO」。
サスティナブル=持続可能をテーマに、独自の着眼点から環境に配慮し長く使用できる鞄のアイデアを考案。他に無いショルダーベルト素材の提案や、エコバッグをプラスする発想等、実用的かつファッショナブルで、時代に相応しい鞄の要素が高い評価を得た。
2020年2月の優秀賞決定後、「Toyooka KABAN Artisan Avenue」及び同施設の鞄専門校「Toyooka KABAN Artisan School」の講師と小竹さんによって、デザインを鞄の形にすべく型紙作りから始まり、サンプル制作をおこない試行錯誤を繰り返した。曲線が特徴のデザインをそのままに立体的に美しい形状の鞄になるよう・・・肩当たりの良いショルダーベルトの理想的な素材は何か・・・当然、実用性を高めること、商品として量産できる仕様になる工夫も必要であった。
商品の製造企業決定後は、製造企業を交えたディスカッションが繰り返された。環境に配慮されたエコレザー、ショルダーベルトのウルトラスエードをはじめ、ファスナー・引手、金具、糸に至るまで鞄のパーツ一つ一つに何かしらの意図が含まれている。小竹ひとみさん、Artisan Schoolのサンプル担当、製造企業担当、関わる全ての人が、素晴らしい鞄を生み出すことに情熱を注いだ。優秀賞選考から約1年の期間を要し、この鞄産地・豊岡に創造的な鞄が誕生した。
SASUTICO(サスティコ)。
SASUTICOは、Sustainnable(サスティナブル)から名付けました。サスティナブルとはsustain(持続する)とable(~できる)からなる言葉。「持続可能な」「ずっと続けていける」という意味があります。現在、世界の人たちが共通の目標として取り組み始めているのが「サスティナブル」な社会の実現。このバッグがその活動へ少しでも貢献できるようにとの祈りが込められています。
ショルダーベルトについて。
ショルダーベルトは、東レ・ウルトラスエード・マーケティング株式会社の人工皮革素材「ウルトラスエード® DP」を採用。ベビースリングをヒントに、軽量で耐久性を備え、肩当たりが優しく負荷が少ない素材を模索し辿り着いた。極細の超極細繊維を絡み合わせ起毛された表面構造は、上質のスエードを想わせるソフトな手触り感と風合いが特徴。
また、メンテナンスがしやすく、バックから取り外し手洗いでお洗濯ができる。
POINT
- 肩に当たる部分は生地を広くとり、切り目を入れることで肩への安定感や負荷を軽減。
- ベルトの先端から切り目までの長さは左右異なります。
前持ち・後ろ持ちどちらでも、切り目の箇所が肩の位置となるよう調整してお使いください。
エコレザー。
エコレザーとは、「日本エコレザー基準(JES)」に適合し、「製品の製造・輸送・販売・再利用」までの一連のライフサイクルの中で、環境負荷を減らすことに配慮し、環境面への影響が少ないと認められる革素材です。排水及び廃棄処理が適正に管理された工場で製造され、臭気、化学物(発がん性染料の使用等)、染色摩擦堅ろう度に関する一定の基準を満たしています。また、防水性があり汚れやシミが付きにくい特徴があります。
※本製品では革の廃棄を軽減するため、革本来の特徴であるシワ・キズ等のある部分も、敢えて廃棄せず使用しています。個体によっては多少のシワ・キズ等が含まれるものがございますが、製品の意図をご理解いただければ幸いです。