Artisan Blog

長く使って頂けるよう心を込めて。 三宅初治商店の豊岡鞄ダレスバッグ 。

Artisan オンラインストア担当、minoru artisanです。

2021年現在、オンラインストアで最も売れている商品。それは、三宅初治商店のダレスバッグ「木手大割れダレス」です。大きく開き中の荷物が見やすく、単純に使いやすい。それが大割れダレスの特徴ですが、人気の理由はそれだけではないと思います。真っ直ぐなラインと少しの曲線が美しいフォルム、クールな口枠の金具に優しい木の取っ手、シックな黒の生地、鞄を開くとワインの内装。ディテール一つ一つに想いやこだわりが詰まって、完成度の高い製品が出来上がっているのだと思います。

木手仕様に続いて人気があった「アルミ手大割れダレス」は、一旦生産が終了しましたが、多くのお問い合わせをいただき再生産が決まりました。「豊岡らしい鞄」とも言われます「大割れダレス」。このタイプの鞄を「豊岡鞄」として作り続けるメーカー、三宅初治商店さんの現場を見せていただき、お話を伺いたく、お邪魔してきました。

三宅初治商店・三宅秀明社長

木手大割れダレス

アルミ手大割れダレス

手間のかかる鞄でも、求められることに応え続ける。


豊岡の鞄の礎である、柳行李の原材料コリヤナギを祀られている柳の宮があり、鞄の神様としても親しまれている由緒正しく非常に歴史のある「小田井神社」の裏手に、三宅初治商店の小さな工場兼事務所があります。

会社創業から57年。三宅秀明社長は頑固で職人気質の先代・三宅初治社長に付いて、若くして責任のある立場になり、近年株式会社となるまでコツコツと会社を大きくされてきました。周りの人に気づかいをされるとても謙虚で温厚な社長です。奥様と一緒に、とても和やかな雰囲気を作ってくださり、ゆっくりお話を聞かせていただきました。

豊岡は近年、鞄の出荷高が国内№1になったという記事が発表されましたが、その多くはOEMと呼ばれる「豊岡で作られた」ということが表に出ず、ブランドや販売メーカーの名前の陰に隠れた下請け製品です。三宅初治商店もOEM生産で、ビジネスバッグを中心に様々な需要を受け、試行錯誤しながら鞄を作りあげてきましたが、大割れダレスは、一度依頼があり作ったきっかけから次々と仕事の依頼が続き、作り続けていく事になりました。先代の三宅初治社長は「人ができないものを作りたい」という強いこだわりがありました。糊引きなど手間のかかる作業、伴う技術も必要でした。他のメーカーが手を出さない製品に、敢えて挑戦しました。

兵庫県鞄工業組合の参加企業が結集し、豊岡という名前が表に出る製品を世に生み出していこうと立ち上げた「豊岡鞄」ブランド。まだブランドが誕生して間もない頃、三宅初治商店はOEM製品を作り続けていました。しかし、大割れダレスの製造技術の高さを知っている工業組合内の木和田正昭商店・木和田智成社長から、豊岡鞄「三宅初治商店製造品」として大割れダレスを作っていただけないかと、図面まで用意し熱心に口説かれました。その熱意に押され生産する事になりました。豊岡鞄の大人気商品誕生のエピソードは意外なお話でしたが、たとえそこに困難があったとしても、求められるものを作るいうことに、シンプルですがとても深く大切な意味を感じます。

ぼろぼろになるまで使ってくださるお客様の為に 。

「豊岡鞄を始めて良かったことは、使っていただいているお客様の声をダイレクトに聞く事ができたこと」と社長は話されました。「ぼろぼろになるまで使ってくださるお客様の為に」豊岡鞄公式HPの三宅初治商店のページに書かれているメッセージです。「修理依頼があり、帰ってきた鞄を見てみると、ここまで使ってくださったとは」と驚く事がある。ぼろぼろになっても、また直して使いたい。そこまで愛情を注いでいただけることは作り手にとって大きな喜びに違いありません。また、同じ鞄を何度も購入される方もいると聞きました。使う人の気持ちを考えた心のこもった企業の製造だから、安心して使うことができます。

人の手で丹精込めて作られるダレスバッグ。

現場も見学させていただきました。

1つの製品が完成するまで、人の手によって様々な工程を経て作られています。

ダレスバッグの内装です。


大割れダレスのフレーム部分です。フレームの金具は機械と手作業で曲げています。
機械の加工も当然技術が必要です。

大ベテランの職人である工場長に説明していただきました。三宅秀明さんのお話にあった手間のかかる部分です。貼り返しといって生地を裏側から高温で溶かした糊で貼り返す作業です。直線はもちろんカーブの部分は特に技術が必要です。

鞄の外側、貼り合わせている部分です。この作業のひと手間によって強度と美しい仕上がりになっています。

三宅初治商店社の製品はこちらのページからご覧ください。
(三宅初治商店ブランドページ・商品一覧)


三宅秀明さんは、大割れタイプのダレスバッグにこだわり、
求められる限り作り続けていきたいと語っていました。

現在、レディースモデルとして、軽量で女性らしいカラーリングの革仕様や
受注生産品として、イタリア製レザーのダレスバッグも製造されています。
2019年6月からArtisanのSHOPにて、革・ハンドル等を選んでいただき、
オーダー生産の受付をおこなっております。
(革オーダーについては、現在SHOPのみで受付させていただいております。)


ダレスバッグへの夢・挑戦は、まだまだ続きます。