鞄探しをもっと楽しく、もっと自由に
〜豊岡鞄のある暮らし〜

「自分らしさ」を表す逸品を、あなたの元へ

Toyooka KABAN Artisan Avenueは、
豊岡の高い技術を持つ職人たちによって作られた、
本当に良い“モノ”だけをセレクト

Artisan column

現役ママの女性鞄職人が考えた、
本当に使いやすい
マザーズリュック

マザーズリュック

豊岡鞄認定のレディースブランドBELCIENTOから、「マザーズリュック」が発売された。
企画したのは、豊岡の鞄製造企業に所属する一人の女性職人。
現役「ママ」でもある自身の視点から、便利な工夫とアイデアを盛り込み、使いやすい「リュック」を考えた。

今回は、当SHOPのバイヤーが女性職人に取材し、作り手目線の考えやこだわりを伺った。
マザーズリュックが誕生するまでの道のりと、とことん追求された使いやすさのポイントをご紹介。

What’s TOYOOKA KABAN 豊岡鞄とは

 2006年、豊岡の鞄関連企業が多く所属する団体「兵庫県鞄工業組合」が、豊岡という名称が入った鞄を生産し、認知度を高めて製品の向上をめざすべく「豊岡鞄」という地域ブランドの登録商標を取得。デザイン・仕様・素材・部品・縫製などについて基準を満たし、厳しい審査に合格した製品のみ認定され、「豊岡鞄」の名称を使用できる。

 兵庫県豊岡市は、鞄の生産量が国内一を誇る。生産される鞄は、あらゆる企業・ブランド等の様々なニーズに応じて作られた「OEM製品」が多くを占める。その為、流通している国産鞄の多くが豊岡で作られているという事実は、あまり周知されていない。

Secret story of mother’s ruck

マザーズリュックが誕生に至るまで

豊岡鞄初の本格的なレディースブランド、BELCIENTOToyooka KABAN Artisan Avenueに並ぶ華やかな鞄たち

(上)豊岡鞄初の本格的なレディースブランド、BELCIENTO
(下)Toyooka KABAN Artisan Avenueに並ぶ華やかな鞄たち

鞄の街、豊岡のチャレンジ。

2014年、メンズバッグの生産が圧倒的に多かった豊岡の鞄業界に大きな変革が起こる。 豊岡鞄に初めて本格的なレディースブランドBELCIENTO(ベルチェント)が誕生した。同年、豊岡市内にオープンした豊岡鞄初のフラッグシップショップ、Toyooka KABAN Artisan Avenue(トヨオカカバン アルチザンアベニュー)には、豊岡鞄のイメージを一変させる、女性らしい柔らかさを備えた華やかな鞄が並んだ。

BELCIENTOは、Artisanと東京在住のバッグデザイナー・森田陽子氏がプロデュースし、豊岡鞄をリードするメーカー9社が、個々の強みを活かしシリーズアイテムを生産。鞄産地豊岡の弱みであったレディースバッグに敢えてチャレンジした。OEM生産のあらゆるニーズに対応できる技術の下地に、女性視点の美しいデザインが組み合わさり、人気商品を次々に生み出している。

2017年夏、BELCIENTOの商品企画会議の席で、一人の女性のプレゼンテーションが採用となった。ブランド誕生から3年。これまでデザイナー主導で進める商品開発だったが、初めて産地の“作り手”自らの発案で商品化が決まるという大きな出来事だった。企画したのは、豊岡の鞄製造企業ヤマサキ商店に所属する女性職人。小さなお子さん2人を育てる母でもある。錚々たる面々が集まる中、会議には初めての参加だった。

interviewマザーズリュックの産みの親、島田恵子さんのお話。
理想のリュックを作る。一人の母の挑戦。

「豊岡鞄、作ってみられますか?」そう社長から声をかけていただいたのが、マザーズリュックのはじまりです。「させてもらえるなら!」と答え、私は会議に出席しました。会議の出席者は、お偉いさんばかり。場違いな人間が来てしまったと思いました。でも、私がずっと作りたいと思っていたリュックを形にするチャンスです。「恥をかいてもいい。失敗してもいい。」という社長の言葉もあり、良い意味で開き直ってプレゼンに臨みました。

私は結婚・出産後、主人の転職を機に豊岡に移住してきました。それまでモノづくりを仕事にしたことはありませんでしたが、やってみたいという気持ちはありました。「豊岡=鞄!」ということで見つけたのは、市内にある「鞄縫製者トレーニングセンター」です。3期生として訓練を受け、鞄製造企業である有限会社ヤマサキ商店に就職しました。プレゼンをした時の私は、企画の経験もなければ、型紙を作ったこともありません。生産の現場で縫製や検品等の作業をおこなっていました。

森田陽子デザイナーから画を受け取り、サンプル作りが始まりました。縫製者としての経験しかない私には、分からないことばかり。森田デザイナー、山﨑社長をはじめ会社の方々、「Toyooka KABAN Artisan Avenue」の販売スタッフさん、鞄の専門学校「Artisan school」の専任講師であり、トレーニングセンターで教えを受けた竹下嘉寿先生など、たくさんの人にお話を伺いながら進めました。仕事終わりにArtisanに寄ることも多く、保育園のお迎えの時間を気にしながら、毎日のようにダッシュしていた気がします。

‘背負ったまま使える’というこだわり。

背負ったまま、ほとんどの用事が済む。それが私の作りたいリュックの一番のポイントでした。 そのためには、背面にメインルーム直結のファスナーを作ることが必須です。ところが「腕があんまり上がらないから、あっても使わない。」そんな声が聞こえてきました。周囲の人達にリュックを背負ってもらい、どこまで手が届くか試してみたところ、ファスナーの最上部から10センチ以上も離れた位置までしか届かない事もありました。そこで、ファスナーの引手を2つにして、使いやすい高さでファスナーの開閉ができるようにしました。

リュックは背負い心地が大切です。社長の考えは「背中に当たる部分は、柔らかさが必要だが、ある程度硬さもあったほうが良い。」そこで出たアイデアは、リュックの背面の構造を、軽くて丈夫な芯材の上に硬めのクッション材と柔らかいクッション材を重ねて三層にするという方法でした。触るとふかっとしているけれど、しゃんとしていて、背負うとしっくりくる理想的な背面に仕上がったと思っています。

ショルダーベルトの形状について考えた時、登山リュックが頭に浮かびました。荷物をつめて重くなっても肩への負担が少なく、背負い心地もいいからです。私物の登山リュックを眺めながらショルダーの形を決めたのですが、S字のような曲線で幅も一定でないため、どのように作るか悩みました。そこで考えたのは、生地を三枚縫い合わせてクッション材をくるむようにする方法です。竹下先生からは、うまくいかないのではないかと言われましたが、とにかくやってみることにしました。

試作段階で竹下先生に見ていただくと、「いいじゃない!」この一言で作り方は決まりました。そこから実際の生地を使ってサンプル作成です。「クッション材の角に、生地を縫い合わせたところがくるようにすると、きれいに見える。」社長のアドバイスを試してみると、見た目の印象がまったく違いました。クッション材の厚さは、数ミリで背負い心地が変わります。厚みを変えて試作し、決定しました。 背負い心地にこだわった分、背面とショルダーベルトは縫いにくいことが難点です。

完成、そして。

「豊岡鞄」の認定審査は2回目で合格。そこから生産に入りました。その間、3人目の子を妊娠し、つわりにも苦しみましたが、思い描いた理想をほぼ満たすリュックを、自分の手で完成させ、Artisanの店頭に並ぶ日がきました。会議でのプレゼンから約8か月が経っていました。。

納品した日、Artianの中村店長からメールが届きました。「間違いなく機能的で(こうだったらいいな)が詰まっています!島田さんの想いがたくさん詰まったリュック…今度は私達がお客様に鞄の魅力・職人さんの想いを伝える番ですね!」完成までの過程や、私の苦悩を知っているからこその言葉。嬉しくなりました。その後、お客様へ丁寧に説明をすると、女性はもちろん男性にも、とても気に入っていただけると報告をいただきました。スタッフの方が、作り手と使い手の間に立つ語り手となり、鞄を育ててくれているように感じています。

マザーズリュック、実は母も購入して使ってくれています。「孫と遊ぶのに両手が空いた方がいいし、荷物も入る大きめのリュックが欲しい。」そう言って、完成をずっと待ってくれていたのです。母が選んだのは私も使っている紅赤(レッド)。この歳になって母とお揃いのリュックを持つことになるとは思いませんでした。

母として、職人として、もっとたくさんの方へ喜びを。

2018年秋、購入いただいた女性からお手紙が届きました。「3日間使用して、あまりの使い勝手の良さに感動してしまったので」便箋5枚に箇条書きで12項目、具体的な感想が綴られていました。想いや意図は、こんなにも伝わるものなのか。驚きの内容に感激しました。あまりにも嬉しくて家族に話をすると、娘が「よかったねぇ。」優しい笑顔で言ってくれました。なんだかお母さんに褒められた子どものような気持ちになりました。息子は、Artisanオンラインストアの商品ページを見て「これ、かーちゃんのかばん!?」と言います。彼にとっては、私が持っている鞄と同じだね、くらいの意味なのかもしれませんが、頑張ったね!すごいね!と言ってくれているのだと勝手に解釈しています。

この鞄は「マザーズリュック」なのですが、ペアレンツリュックとかファミリーリュックとか、ママだけのものとは違うイメージの名称があればいいなと個人的には思っています。パパにはもちろん、じぃじや、ばぁばにも使ってもらいたい。もっと言えば誰にでも使ってほしいリュックです。実際、Artisanでは年配の男性や学校の先生など、年齢性別さまざまな方に購入いただいていると伺いました。

「鞄職人」として紹介していただいていますが、まだまだだと思っているので、照れくさいというか、いいのかな?と今でも思っています。「私、職人と名乗っていいですか?」と山崎社長にも確認してしまいました。これから産休・育休に入りますが、復帰したら胸を張って職人と言えるように精進していきたいと思います。
(2018年10月 取材)

The guide to mother’s ruck

マザーズリュックの説明書

女性職人が教える、マザーズリュックの使い方の手引き

01

Good usability point no.1背負ったまま使える。

右手側のファスナーは、メインルームとつながっています。
引手は2本にしていますので、使う方の手の届く高さで開閉が可能です。

正面の2つのオープンポケットは、スマホと母子手帳・おくすり手帳などが、ちょうど収まるサイズです。

両側面のポケットには、水筒や500mlのペットボトルが収まります。ゴムを入れることで、落ちにくくなっています。

左手側のファスナーポケットは、長財布を出し入れしやすいように作っています。

02

Good usability point no.2背中に優しい心地よさ。

背面は、「触るとふかっとしているけれど、しゃんとしていて、背負うとしっくりくる」そんな背負い心地を追求した三層構造になっています。
ショルダーベルトは登山リュックを参考にした形状で、見た目にもこだわり、生地を三枚縫い合わせてクッション材をくるむように作っています。

03

Good usability point no.3こんなものが入る。収納の仕様書。

メインルームは、日帰りの遠出程度の荷物が十分収納できます。おむつポーチを収め、親子のお弁当や着替えのほか、A4サイズの絵本なども収まる深さがあります。

フラップを開けて一番前面にあるポケットは、A4サイズの書類などが収まります。子どもの健診や予防接種で使用する問診票などを、メインルームと分けて収納できる便利な部屋です。

メインルームのファスナー式吊ポケット。リップクリーム、ペンケース、印鑑、小さな電子機器など、小物を収めておける場所です。

前面のファスナーポケットには、お食事エプロン、ハンカチ、おもちゃなど、子ども用の小物を入れておくと便利です。

おむつポーチは、Lサイズの紙おむつ5枚、携帯用おしりふきが収まります。
仕切りがあり、汚れもの用のビニール袋を分けて入れることができます。

04

Good usability point no.4ディテールに、嬉しいひと工夫。

フラップの内側は動画をご覧ください。メインルームに蓋をするように留まっているマグネットは、片手を入れると軽く外れます。両側面のホックを外すと、マチが広がります。

両側面にナスカンを付けました。子どもの帽子や上着などを、サッと手早く引っ掛けておくことができます。

取っ手は、腕を通して使える長さにしています。ポケットの出し入れなどの際、便利です。

便利な使い方

こんな使い方もできる。

メインルームに付いているキーリング。実は、ここに伸び縮みするリールコードを連結し、背面のファスナーから取り出せるように考えています。ICカードやキーなどを付けておくと、ファスナーを開けて手探りですぐに取り出すことができます。大切なものを失くさないように固定できることも安心です。

Items featured
六花(RIKKA=りっか)シリーズ
現役ママの作り手が知恵を絞った、本当に使いやすい究極のマザーズバッグ。
Col.
紅赤レッド / 亜麻色グレージュ / 紺青ネイビー

24,000円(税抜)